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2022.03.17

倉庫業法とは?概要や重要性、押さえるべきポイントをご紹介

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こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの津田です。

 

自社商品の保管や、EC商品の出荷のために、倉庫サービスを探している物流担当の方の中には、「倉庫業法」について詳しく知らないという方も多くいると思います。

 

倉庫業法は、倉庫利用者の利益を保護するための法律です。

倉庫を管理する企業だけでなく、利用者となる物流企業にとっても、内容を理解しておくことが大切です。

 

そこで今回は、倉庫を利用する物流担当の方に向けて、倉庫業法の概要と倉庫業の種類、倉庫業法で押さえておきたいポイントについて解説します。

 

 

倉庫業法とは?その概要からチェック!

倉庫業法は、倉庫利用者の利益を保護するための法律です。

倉庫は「自家用倉庫」と「営業倉庫」の2つに分けられますが、「営業倉庫」についてのルールを定めたものが、倉庫業法です。

 

まずは倉庫業の内容について解説していきます。

 

倉庫業とは?

倉庫業とは、「寄託を受けた荷物を倉庫で保管する営業形態」のことをいいます。

保管のみならず、入庫から出荷までの作業のことを指すので、商品や荷物を預かるサービスやECサイトの出荷作業など、倉庫業の内容は多岐にわたります。

 

荷物を預かって保管することで対価を得るビジネススタイルなので、付随的に保管が起きてしまうサービスのことは倉庫業とはいいません。

 

倉庫業は以前までは許可制が採用されていましたが、2002年に登録制に改正されました。

現在倉庫業を行う場合には、事前に国土交通省へ登録が必要です。

 

以前の倉庫業法(許可制)だと手続きに時間がかかってしまっていましたが、競争力の強化や物流の効率化を図るために、登録制が採用となった背景があります。

倉庫の所有者が、該当の倉庫が倉庫業を運営する基準を満たしているかどうかを予め確認できる「基準適合確認制度」も新設されています。

 

倉庫業法の目的

倉庫業法の目的は、以下のように定められています。

 

<倉庫業法第1条>

この法律は、倉庫業の適正な運営を確保し、倉庫の利用者の利益を保護するとともに、倉庫証券の円滑な流通を確保することを目的とする。

(引用:昭和三十一年法律第百二十一号 倉庫業法 第一章 総則 目的

 

営業倉庫では所有者以外の荷物を預かって管理をするため、荷物の持ち主が不利益を被ることがないようにしなければなりません。

そのため、倉庫業法では、トラブルの抑制および、荷物の所有者の利益を守ることを目的として、各種規定が設けられています。

 

 

倉庫業の種類についても知っておこう

倉庫業法における「倉庫業」は、大きく分けて「普通倉庫業」「冷蔵倉庫業」「水面倉庫業」の3種類です。

それぞれの特徴についても解説します。

 

普通倉庫業

倉庫業と呼ばれる業務のほとんどがこの「普通倉庫業」です。

農業や鉱業をはじめ、食品や衣服などの製造業、美術品のような個人の財産などを扱います。

 

普通倉庫業の中でも、「一類倉庫」「二類倉庫」「三類倉庫」「貯蔵槽倉庫」「野積倉庫」「危険品倉庫」「トランクルーム」の7種類に分類されます。

 

冷蔵倉庫業

文字の通り、冷蔵品を保管する倉庫業のことです。

水産物や農産物、冷凍食品など、保管するものによって保管温度は変わりますが、10度以下で冷蔵・冷凍する必要があるものは基本的にこの冷蔵倉庫業として扱われます。

 

水面倉庫業

水に浮かべてものを保管する倉庫業のことを「水面倉庫業」といいます。

基本的には、山で伐採された原木が乾燥して割れてしまわないように保管をすることを目的としています。

 

また、水面倉庫を運営するためには下記を満たしていなければいけません。

  • 周囲が築堤や工作物によって守られていること
  • 水害による原木の流出防止体制が整備されていること
  • 照明装置が設置されていること

 

倉庫の種類については、「倉庫の種類を解説!倉庫業での分類を詳しくチェック!」でも詳しくお話ししておりますので、あわせて参考にしてみてくださいね。

 

倉庫業法で押さえておきたいポイントは?重要性を確認

タブレット管理

倉庫を利用する物流担当の方は、倉庫業法においていくつか押さえておくべきポイントがあります。

それらのポイントを踏まえ、「倉庫業法」について、より詳しく解説します。

 

倉庫業は登録が必要

先述した通り、倉庫業は倉庫業法に基づいて国土交通大臣の登録を受けた倉庫だけが営業することを許されている事業です。

そのため倉庫業を営むためには、国土交通省への登録が必須となります。

 

登録がされていないまま倉庫業を行ってしまうと、法律違反とみなされ「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、もしくはその両方」が科せられます。

 

倉庫業は、倉庫や空きスペースがあれば誰でも簡単に運営することができてしまう事業でもあります。

検討している倉庫がしっかりと登録されているものかどうかは、契約前にしっかりと確認するようにしましょう。

 

未登録の倉庫にはリスクがある

国土交通省に登録されていない倉庫業の場合、その倉庫を利用する物流担当者にもリスクが伴います。

 

倉庫を営業倉庫として登録するためには倉庫業法で定められたいくつかの基準を満たしている必要があります。

言い換えれば、登録を受けている倉庫はその基準を満たしている倉庫ということになりますので、防犯や防災などの面で一定の品質が担保されています。

 

また、保管物に対しての責任は倉庫業者が負っていますので、トラブルが起きた際には倉庫業者が責任を取ってくれることになっています。

 

しかし、未登録の倉庫ではどちらも保障されていません。

商品の保管状態が悪くなる危険がありますし、問題が起こった場合でも倉庫運営者は責任をとってくれない可能性があります。

 

このようなリスクを負わないためにも、倉庫利用者も倉庫業法を理解しておくことが大切です。

 

 

倉庫業法を理解して大切な保管物を守ろう

自社商品の保管や、EC商品の出荷のために便利な倉庫サービス。

倉庫業とは、「寄託を受けた荷物を倉庫で保管する営業形態」のことをいい、他人の荷物を預かる「営業倉庫」の場合は国土交通省への登録が必須となります。

 

倉庫業には大きく分けて、普通倉庫業・冷蔵倉庫業・水面倉庫業の3種類がありますが、それらの倉庫利用者の利益を保護するための法律が倉庫業法です。

 

倉庫事業者のための法律と思われがちですが、委託する側も、思わぬリスクを避けるために理解しておく必要があります。

倉庫サービスを委託する際には倉庫業法について理解した上で、営業倉庫として登録されている倉庫に委託するようにしましょう。

この記事を書いた人

キチナングループ株式会社 倉庫事業部 主任津田 康平

2018年中途入社。キチナングループ株式会社 倉庫事業部営業部。前職でも営業をしていました。プライベートでは奥様と買い物に行ったり、趣味のゴルフやバス釣りを楽しんでいます。好きな言葉は「この道より 我を活かす道無し この道を歩く」。

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