こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの末次です。
物流に際してかかる物流コストは、長期的に見ると増加傾向です。
燃料費や人件費の高騰などから、今後も増加することが予想されています。
物流コストをできるだけ抑えるためには、どんな取り組みが必要でしょうか。
今回のコラムでは、物流コスト削減のアイデアについてお話しましょう!
物流コストの種類や内訳、コスト増加の原因を改めて確認した上で、物流コスト削減の方法や事例をお伝えします。
物流コストとは
物流コストとは、商品を生産してから消費者に届けるまでの物流業務にかかるコストのことです。
商品を運搬・輸送するコストを想像しがちですが、それだけではなくて、生産や保管、管理などにかかるコストも物流コストに含まれます。
物流コストの分類
物流コストを物流の流れの中で分類すると、以下の3種類に分類できます。
調達物流コスト
商品や製品を調達・製造するためにかかるコストです。
商品の仕入れや、製造のための原料の仕入れ、製造、保管などにかかるコストが該当します。
販売物流コスト
調達・製造した商品が、販売業者などを通じて消費者の手元に届けられる際のコストです。
静脈物流コスト
一度消費者の手元に届いた商品が、返品や回収、リサイクルなどで企業に戻ってくる際のコストです。
メーカーから消費者へ届けられる物流を動脈物流と呼ぶのに対し、メーカーに戻ってくる物流の流れを静脈物流と呼びます。
物流コスト比率とは
物流コスト比率とは、企業の売上高に対する物流コストの比率です。
公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会の「2023年度 物流コスト調査報告書【速報版】」によると、全業種平均の売上高物流コスト比率は5.00%(2023年度調査、有効回答208社)。
2022年度との比較では0.31%減少しています。
しかし、これは過去20年間で最高となった2021年度調査結果からの振り戻しであること、物流コスト以上に売上高が伸びていることが原因。
物流コスト自体は長期的には増加傾向と考えられています。
物流コストの内訳
物流コストの機能別に内訳を考えると、以下のように分けられます。
運送費
材料や商品を運搬するためにかかる費用です。
運搬するための車両費、ガソリン代、ドライバーの人件費、利用する交通機関の運賃などが該当します。
荷役費
商品を倉庫に入庫・出庫するためにかかる費用です。
作業スタッフの人件費のほか、倉庫内で荷物を運搬するフォークリフトなどのマテハン機器の作業費も含まれます。
保管費
商品を保管するためにかかる費用です。
倉庫の賃借料やレンタル倉庫での保管料、自社倉庫の減価償却費、火災保険料などが該当します。
流通加工・包装費
商品を出荷する際、商品をカットする、セットにする、同梱物を入れる、ラベルを貼るなどの加工、梱包などをするための費用です。
作業スタッフの人件費や、使用する資材費用などが含まれます。
管理費
物流システムや受発注システムなどの導入費、利用料、管理費などです。
管理者の人件費も含まれます。
物流コストが高騰している理由
近年、物流コストは増加傾向が続いています。
その理由は主に以下の3つです。
- 燃料費の高騰
- 人件費の高騰
- 物流業務の増加と煩雑化
世界的なエネルギー価格高騰と続く円安の影響により燃料費が高騰し、物流コストの中でも大きな割合を占める運送費に深刻な影響を与えています。
また、労働人口の減少や働き方改革による労働時間の短縮、物流業の労働環境から人材が集まりにくいといったことから、人材不足が続いています。
そして、近年はインターネット通販の普及などにより物流需要が大幅に増加しています。
さらに、商品の種類やサイズが豊富、時間指定や短納期の指定など、ニーズやサービスが多様化していることから業務がより煩雑・複雑に。
こういったことから、物流コストの高騰・高止まりが続いていると考えられます。
物流コストを削減するアイデア・成功事例
物流コストを削減するための対策やアイデアと、その成功事例をご紹介します。
業務の効率化
物流コスト削減に向けてまず取り組みたいのは、業務効率化。
フローの工夫や改善のほか、在庫管理システムを導入して在庫管理の最適化を図る、ロボットを導入して作業のスピードアップを図るといった方法があります。
例えば、在庫管理システムを導入したある企業では、入出荷や保管場所の管理を専用のシステムで行い、紛失や返品を減らすことに成功。
今まで手動で行なっていた棚卸作業も、システムによる大幅な業務改善が実現し、人件費の削減に成功しました。
大きなリソースを割く梱包作業の効率化については、過去のコラムでもご紹介していますのでぜひご覧ください。
物流拠点の集約
物流拠点が多いのはメリットもありますが、倉庫ごとの維持管理費用がかかるためコスト増につながります。
物流拠点を減らして大型拠点として集約することで、倉庫の賃料、管理費用、人件費などを削減できます。
物流アウトソーシングの利用
専門の物流業者に物流業務を委託することで、在庫管理の最適化や業務効率の向上を図れます。
アウトソーシングを利用する費用はかかりますが、そのほかのコストを削減できれば全体的な物流コスト削減に!
プロに委託することで、ミスが減るなど品質もアップし、顧客満足度も上がります。
キチナングループでも物流アウトソーシングサービスを提供しています!
現場を熟知した物流のプロがお客様の荷物の特性に合わせて、保管、流通加工、輸送、配送を最適化。
物流業務の一部から、全部まで請け負うことが可能です。
物流業務をキチナングループにお任せいただくことで、本業に専念することができますよ。
物流コスト削減のアイデアは業務効率化やアウトソーシングの活用から
物流コストとは、商品の生産から消費者に届けるまでの物流工程全てにかかるコストのことです。
運搬や輸送だけでなく、調達、販売、返品にかかるコストも含まれ、物流の流れで分類すると調達物流コスト、販売物流コスト、静脈物流コストの3種類に分類できます。
機能別に分けると、運送費、荷役費、保管費、流通加工・包装費、管理費といった内訳に分類することも。
近年は燃料費の高騰、人件費の高騰、作業の煩雑化といった理由から、物流コストが高騰しています。
物流コスト削減には、システムやロボット導入による業務効率化、物流拠点の集約化、物流アウトソーシングサービスの活用などのアイデアがあります。
キチナングループも物流アウトソーシングサービスを提供していますよ!
この記事を書いた人
末次 正人
キチナンロジスティクス株式会社 営業部 部長
1996年新卒入社。キチナンロジスティクス株式会社 営業部。入社してからは茨城県や大阪府など様々な場所で配車や営業を経験。プライベートでは家族との時間を大切にしています。趣味はゴルフと食べ歩き。好きな言葉は「感謝」。