こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの津田です。
今回のコラムでは、「物流総合効率化法」について解説します
物流総合効率化法とは、流通業務の効率化や輸送の合理化を図る事業に対する計画の認定や支援措置等を定めた法律です。
物流総合効率化法の背景や目的、認定を受けるメリット、認定を受ける際の流れなどを分かりやすくお伝えします。
物流総合効率化法とは
物流総合効率化法とは、複数の事業者が連携して行う流通業務の効率化や環境負荷の低下に向けた取り組みを支援するための法律です。
正式名称を「流通業務の総合化および効率化の促進に関する法律」といいます。
流通業務の一体化や輸送の合理化による物流の効率化、環境負荷の低減や省力化に取り組む事業を認定し、認定した事業に対して補助金や税金優遇措置などを行うものです。
近年、物流業界は需要の急増、ニーズの高度化・多様化などに伴う人材不足や環境負荷などが大きな課題となっています。
物流総合効率化法は、物流の効率化を推進することで物流に必要な労働力の確保、環境負荷の低減を図り、そして国産業の国際競争力の強化や物流ニーズへ対応していくことを目的としています。
支援対象となる流通業務総合効率化事業の例
物流総合効率化法で支援対象となる物流の合理化の3例をご紹介します。
例①輸送網の集約
複数あった物流与点を集約し、輸送ルートを削減する取り組み。
トラック数とドライバー数の削減に加え、荷物が集約するので積載効率もアップします。
例②輸配送の共同化
1つのトラックに複数企業の荷物を載せて輸配送を共同して行う取り組み。
積載効率や配送効率が向上し、輸送コストや必要人員、配送における二酸化炭素の排出量を減らします。
ドライバー不足は物流業界の慢性的な課題の一つで、配送効率化を図る共同配送の取り組みが広がっています。
こちらのコラムでも共同配送について詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
例③モーダルシフト
トラックで行われている長距離配送を鉄道や船舶利用に切り替える取り組み。
輸送に必要な人員を削減し、人件費をはじめとするトータルコストを削減します。
また、二酸化炭素排出量も減らすことができます。
物流総合効率化法の認定を受けるメリット
企業が物流総合効率化法の対象事業に取り組み、認定を受けるメリットは大きく3つあります。
①補助金や税制優遇措置を受けられる
物流総合効率化法の認定を受けた事業は、必要経費について補助金や、法人税や固定資産税の減免を受けられます。
例えば以下のような支援措置がありますよ。
- 計画策定経費・運行経費の補助
- 事業許可や開発許可に関する配慮
- 輸送連携型倉庫の法人税・固定資産税の減税
- 信用保険制度の限度額の拡充
- 長期低利子・無利子貸付 など
②業務効率化により業務改善につながる
物流総合効率化法の認定を受けるためには、先ほど支援対象事業として紹介したような合理化・効率化に向けた取り組みを行う必要があります。
効率化につながる事業の計画を立て、実行し、運用していくことで、業務改善が実現し、従業員の負担軽減やコスト削減につながるでしょう。
③環境に配慮した物流が可能になる
物流総合効率化法の認定を受けるためには、その事業が環境負荷の低減や省力化に貢献するものでなくてはいけません。
認定を受けることは環境に配慮した物流事業と認めてもらうことにもなり、企業イメージの向上にも役立つでしょう。
物流総合効率化法の支援を受けるまでの流れ
物流総合効率化法の認定を受ける際の流れは以下の通りです。
①最寄りの運輸局等に事前相談
運輸局の物流担当などに、計画している事業が認定の対象となるか、希望の支援措置、関連法、スケジュールなどについて相談します。
②事業計画の作成
関連部局との調整を行いながら、具体的な事業計画を作成します。
③運輸局へ申請・審査
申請は管轄の運輸局へ行います。
申請から認定までの標準処理期間は約2カ月です。
④総合効率化計画の認定
認定を受けた事業者は、認定マークを使用できます。
また、税金等の特例を受ける場合は、運輸局から証明書の発行を受けた上で、税務署に申請が必要です。
⑤実施状況の報告
総合効率化計画の認定を受けた事業は、計画期間中(3年または5年)の事業年度終了後には事業の実施状況の報告を行う必要があります。
物流総合効率化法とは物流業務の効率化を支援する法律
物流総合効率化法とは、複数の事業者が連携して行う物流業務の効率化の取り組みを支援するための法律です。
物流業界の人材不足や環境負荷といった課題の解決を目指し実施されています。
物流総合効率化法の認定を受けると、対象事業について補助金や税金の優遇措置、許可についての配慮などを受けられます。
物流総合効率化法の認定を受けるには、関連部局との調整を行なった上で事業計画を作成し、管轄の運輸局へ申請します。
税金の特例措置を受ける場合には、認定後に税務署への申請も必要です。
キチナングループでは、物流アウトソーシングサービスを提供しています。
お客さまのさまざまなニーズに対応するご提案をいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
津田 康平
キチナングループ株式会社 倉庫事業部 主任
2018年中途入社。キチナングループ株式会社 倉庫事業部営業部。前職でも営業をしていました。プライベートでは奥様と買い物に行ったり、趣味のゴルフやバス釣りを楽しんでいます。好きな言葉は「この道より 我を活かす道無し この道を歩く」。