こんにちは！西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの津田です。
物流業界では、商品の包装方法としてシュリンク包装を採用するケースが多くあります。
このコラムでは、シュリンク包装のメリットや種類、実際に使用する包装機の特徴まで詳しく解説します。
シュリンク包装の導入を検討している企業様はぜひ参考にしてください。
物流業界でよく聞く「シュリンク包装」とは？種類もチェック！
シュリンク包装とは、熱を加えると収縮する特殊なフィルムを使用し、商品の形状に沿ってぴったりと密着させる包装方法です。
「シュリンク（shrink）」は英語で「縮む」という意味を持ち、この性質を生かした技術として広く利用されています。
飲料のペットボトル、書籍、CD、食品、化粧品、医薬品、生活用品など、多くの分野で採用されています。
シュリンク包装は、商品の包装範囲によっていくつかの種類があり、商品全体を覆うタイプと、商品の一部を覆うタイプに分けられます。
商品全体を覆うタイプ
商品全体を覆うタイプのシュリンク包装は、傷や汚れから商品を保護し、未開封であることを証明できます。
L型シュリンク包装
商品の角に沿ってフィルムを収縮させる方法で、ティッシュボックス、化粧品箱、書籍など箱型の商品に適しています。
商品全体を保護できるため、傷や汚れを防ぎ、未開封の証明にもなります。
ピローシュリンク包装
枕のように商品を包む方法で、カップ麺や紙パック飲料など、円筒形・箱型に幅広く対応します。
フィルムに印刷が可能なため、デザイン性を高めたい商品にも向いています。
商品の一部を覆うタイプ
容器のキャップ部分や側面など、必要な箇所のみをフィルムで包む方法です。
ラベルとしての機能を持たせたり、開封防止の目的で使用したりと、用途に応じて包装範囲を選べます。
ラベルシュリンク
ボトルのキャップ部分を除く側面を覆う方法で、ペットボトルや食品、生活用品で一般的です。
表示スペースを広く確保でき、商品情報や成分表示をしっかり記載できます。
キャップシュリンク
キャップ部分のみを覆う包装です。
瓶詰商品などで未開封の証明として用いられ、商品の安全性を高めます。
Rシールシュリンク
容器の底面以外を覆う包装で、シャンプーやスプレーボトル、歯磨き粉など、底面が平らでない商品に適しています。
梱包や包装の基本については、こちらのコラムで詳しくご紹介しています。
あわせてご覧ください。
シュリンク包装を採用するメリット
シュリンク包装には、物流現場や商品管理において多くのメリットがあります。
シュリンク包装を採用する5つのメリット
主なメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット①商品全体を保護できる
商品を広範囲にフィルムで覆うため、ほこり・汚れ・傷から守れます。
フィルムは耐寒性や耐水性に優れ、配送中や屋外陳列でも商品状態を維持しやすいです。
また、一度破ると元に戻らないため、未開封の証明としても有効です。
メリット②商品PRをしやすい
シュリンクフィルムは表示面積が広く、全面に印刷が可能です。
ブランドカラーやロゴを強調でき、陳列棚での視認性を高められます。
光沢と透明感により多色印刷が映えるため、商品の魅力を訴求しやすくなります。
メリット③複数商品をまとめやすい
ヨーグルト3個セット、飲料6本パックなど複数商品をまとめる用途に適しています。
形状が異なる商品でもフィルムが密着してしっかり固定でき、テープや段ボール資材を減らせるため、作業効率化やコスト削減にも。
段ボールと商品をまとめる場合も荷崩れを防ぎ、緩衝材の削減にもつながります。
メリット④パッケージ変更に柔軟に対応できる
商品自体に印字しないため、フィルムデザインを変えるだけでパッケージ変更が可能です。
季節限定デザインやコラボ企画など、多品種・小ロットにも柔軟に対応できるでしょう。
急な表示変更にも既存容器を無駄にせず対応できる点もメリットです。
メリット⑤環境への配慮ができる
薄いフィルムは簡単にはがして分別でき、ペットボトルならボトル本体との分別も容易です。
消費者の負担を減らし、リサイクルを促進する包装としても評価されています。
物流現場で使われるシュリンク包装機
シュリンク包装には専用の包装機が必要で、代表的なものに「トンネル式シュリンク包装機」と「ドライヤー式シュリンク包装機」の2種類があります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解して、自社の用途に合った機械を選びましょう。
トンネル式シュリンク包装機
熱風や蒸気が吹き出すトンネルに商品を通し、熱でフィルムを収縮させて包装する方式です。
蒸気熱を利用する蒸気式、熱風を当てる熱風式、そして熱風を旋回させながら当てる熱旋風式などがあります。
フィルムに商品を入れて余分をカット → シーラー機で溶接・裁断 → トンネルへ投入、という工程で包装します。
トンネル式のメリットは、大量生産に向いている点です。
細かな熱量調整が可能で、ドライヤー式に比べるとシュリンクのムラが少なく、安定した品質の包装ができます。
一方で、導入コストが数十万円〜数百万円とドライヤー式と比べると高額で、大型機械が多いため設置スペースが必要になることがデメリット。
トンネル内に入る商品サイズにしか対応できないため、大型商品や複雑な形状の商品には使用できません。
ドライヤー式シュリンク包装機
工業用ドライヤーの熱風を直接フィルムに当てて収縮させる方式です。
フィルムに商品を入れてカット → シーラー機で溶接・裁断 → 工業用ドライヤーの熱風を当てて収縮、という流れで包装します。
ドライヤー式のメリットは、トンネル式シュリンク包装機に比べると導入コストが抑えられ、少量生産に向いている点です。
省スペースで活用でき、トンネル式に入りきらない大型の商品や、形状が複雑なものにも対応できます。
デメリットには、シュリンク包装するのに時間がかかることや、手で持ちながら熱を当てるためシュリンクにムラが出やすいことが挙げられます。
風量の調整ができない機械も多く、細かな調整が難しい場合があります。
物流会社では、流通加工の一環として包装を行うことも多くあります。
流通加工についてはこちらのコラムもご参照ください。
流通加工とは？目的や内容、アウトソーシングのメリットなど詳しく！
シュリンク包装を活用して物流を効率化しよう
シュリンク包装は、熱で収縮するフィルムを商品に密着させる包装方法で、商品保護、PR効果、複数商品の固定など、多くのメリットがあります。
物流現場で使用されるシュリンク包装機は、主に大量生産向けのトンネル式と、少量・多様な形状に対応するドライヤー式の2種類。
商品の特性や生産数量に合わせて適した機械を選ぶことで、作業の効率化とコスト削減が実現できます。
自社での導入や運用が難しい場合は、物流アウトソーシングの活用も選択肢です。
キチナングループでは、物流アウトソーシングサービスを提供しています。
物流のプロがお客様の状況をヒアリングしてニーズに対応する最適な物流アウトソーシングのご提案をいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
津田 康平
キチナングループ株式会社 倉庫事業部 主任
2018年中途入社。キチナングループ株式会社 倉庫事業部営業部。前職でも営業をしていました。プライベートでは奥様と買い物に行ったり、趣味のゴルフやバス釣りを楽しんでいます。好きな言葉は「この道より 我を活かす道無し この道を歩く」。
