こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの末次です。

生鮮食品など低温での温度管理が必要なものを運ぶ際に、活躍するのが保冷車や冷凍車。

しかし、保冷車と冷凍車のどちらを利用するべきか悩まれる方もいるのではないでしょうか。

そこで今回のコラムでは、保冷車と冷凍車、それぞれの特徴や違いについて解説します。

どんなものを運ぶのに適しているのか、保冷車や冷凍車を利用する際に気を付けるべきポイントなどもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

保冷車と冷凍車の違いとは?

保冷車と冷凍車、どちらも低温を保ちながら製品を運べる車両。

保冷車と冷凍車の違いをひと言で表すと、「温度を下げる機能がついているかどうか」です。

保冷車と冷凍車、そしてその2つと似た特徴を持つ冷蔵車について、それぞれの特徴をご紹介します。

保冷車の特徴

保冷車は、荷台が断熱構造になっており、庫内の温度を一定に保つことができる車両です。

荷室に氷やドライアイスを入れて温度を下げ、断熱構造で低温を保って輸送します。

大きなクーラーボックスがトラックの上に載っているのをイメージをすると、わかりやすいのではないでしょうか。

冷却装置を持たないため、温度を下げる機能はありませんが、外気温の影響を受けにくい断熱構造が特徴です。

温度変化に弱い生鮮野菜・果物・和洋生菓子・生麺のほか、弁当・惣菜・給食など高温で腐敗しやすい食品、温度変化で品質が劣化する医薬品などの運搬に向いています。

冷凍車の特徴

冷凍車は、荷室に冷凍機が備え付けられており、荷室内の温度を下げることができる車両です。

主に生鮮食品・精肉・冷凍食品・アイスクリームなど、低温での温度管理が必要なものを確実に冷やしながら運ぶことができます。

冷凍車は保管温度により、中温冷凍車と低温冷凍車の2種類があります。

中温冷凍車

マイナス5℃前後で温度管理をする車両。

精肉、鮮魚、乳製品、野菜類、和洋菓子などの輸送に適しています。

低温冷凍車

マイナス15℃以下で温度管理をする車両。

アイスクリームやマグロ・カツオなど冷凍魚介類、冷凍食品などの運搬に適しています。

冷蔵車の特徴

冷却機能を持つ車両ですが、0℃以下にはならず、5℃前後で温度管理をするのが特徴です。

常温での管理は難しいけれど凍らせる必要はない野菜や果物、乳製品や薬品、植物などの輸送に適しています。

温度管理が必要な食品の物流について、より詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

コールドチェーン(低温物流)とは?仕組みや必要性、メリットも

冷凍車には種類がある

冷凍車は冷凍方式によって主に3つのタイプがあります。

機械式冷凍車

一般的な家庭用エアコンと同じような仕組みで、エンジンの力を使って荷室の温度を下げるタイプです。

温度を細かく設定・調整できるので積み荷に最適な温度を保ちやすく、保冷時間にも制限はありません。

車のエンジンに直結しているタイプと、冷凍機本体に専用エンジンを搭載しているサブエンジン式があります。

エンジン直結タイプは、車両を停めてエンジンを停止すると冷凍機も停止するというデメリットがあります。

サブエンジンタイプは車のエンジンを停めても、冷凍機は稼働させておけます。

液体窒素式冷凍車

液体窒素を使用して荷室を冷やす方式です。

冷却能力が高く、荷室をマイナス40℃以下まで温度を下げることができます。

特に鮮魚や精肉の運送に適していて、食品の鮮度を保って運搬できます。

ただし、液体窒素は高額なため、コストが高くなるのが注意点です。

蓄冷式冷凍車

車両が稼働していないときに電力で冷却板を冷やしておき、冷却板の冷気で荷室内温度を維持する方式です。

冷却時間は8時間程度。

細かい温度調節はできませんが、エンジンを切っても温度が急激に変化しにくいのが特徴です。

青果やケーキ類など、頻繁な積み下ろしがある積載物の配送に適しています。

保冷車・冷凍車を利用した輸送の注意点

トラック

保冷車や冷凍車を利用して温度管理をしながら安全に配送するためには、いくつか重要な注意点があります。

予冷が必要になる

冷凍車を使用する場合、荷物を積み込む前に庫内を十分に冷やしておくことが重要です。

予冷には時間がかかるため、事前の準備が欠かせません。

温度を保つ工夫をする

荷室を開閉すると庫内の温度が上昇してしまいます。

一定温度を保つためにも、積み下ろし作業はできるだけ手早く行うことが大切です。

また、荷物の積み込み方にも注意を。

例えば冷凍車は荷物同士を密着させて積む、保冷車の場合は冷気がまんべんなく行きわたるよう適度な隙間を設けて積むのが良いです。

保冷車と冷凍車の違いを理解して最適な車両を選択

保冷車と冷凍車の違いは、温度を下げる冷却機能があるかどうかという点です。

保冷車は氷やドライアイスを使い、断熱機能を持って一定温度を保ちます。

温度変化に弱い生鮮食品や生菓子、弁当、惣菜、医薬品などの運搬に向いています。

一方、冷凍車は冷却機能で庫内の温度を下げて温度管理をする車両です。

マイナス5℃前後で温度管理をする中温冷凍車、マイナス15℃以下で温度管理をする低温冷凍車があり、冷凍方式には機械式、液体窒素式、蓄冷式といった種類があります。

また、5℃前後で温度管理をする冷蔵車も。

輸送する商品の特性や配送形態に合わせて、最適な車両を選択することが重要です。

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この記事を書いた人

末次 正人

キチナンロジスティクス株式会社 営業部 部長

1996年新卒入社。キチナンロジスティクス株式会社 営業部。入社してからは茨城県や大阪府など様々な場所で配車や営業を経験。プライベートでは家族との時間を大切にしています。趣味はゴルフと食べ歩き。好きな言葉は「感謝」。