こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの三村です。   荷物の輸送にはさまざまな方法がありますが、効率的に運ぶ方法に「パレット輸送」があります。   そこで今回は、パレット輸送に焦点をあてて解説します。 パレット輸送で使われるパレットの種類や、パレット輸送のメリット・デメリットについて知りたい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください!  

パレット輸送とは?特徴を知ろう

パレット輸送とは、荷物の運搬方法の1つで、「パレット」と呼ばれる、荷物を載せるための荷役台を用いた輸送方法です。   工場や倉庫での荷物の移動や、海上コンテナやトラックでの物流、運送会社の営業所などで作業効率や生産性を高めるため、作業負担を軽減させるために導入されています。   パレットにはたくさんの荷物を載せることができ、フォークリフトやハンドリフトなどを使って、荷物を載せたままパレットを移動させたり、パレットに荷物を載せたままトラックなどへの積み込みをすることも可能。 「一度に多くの荷物をスピーディーに輸送できる」というのが、パレット輸送の特徴です。   重たい荷物を持って、何度もトラックと倉庫を往復…ということがないので、作業者の負担も軽減されます。   パレット輸送で使用される「パレット」には、実はさまざまな種類があります。 次で詳しくご紹介しますね!    

パレット輸送で使われる「パレット」の種類

パレットの種類は、形状によって以下のように分類されます。
  • 平パレット
  • ボックスパレット
  • ポストパレット
  • シートパレット
  それぞれについて、詳しくご紹介します。  

平パレット

平パレットは、平らな台をもつパレットで、最も多く使用されています。 すのこの脚を合わせて重ねたような形だというと、イメージしやすいでしょう。 サイズは1.1m×1.1mの正方形で、厚みは15cmです。   上下の板の間の空洞は、フォークリフトの差し込み口になっています。 荷物の搬入や運搬などを行いやすいタイプのパレットです。   平パレットの材質はかつては木製が主流でしたが、防虫対策が不要なことや強度が高いことなどからプラスチック製が増えています。 ほかには、紙製や金属製、発泡スチロールが使われることもあります。  

ボックスパレット

ボックスパレットは、3面以上の鉄製の板(網目状や格子状が多い)を持つパレットです。   ボックスパレットには、側面の壁が固定のものや取り外し可能なもの、開閉式のものなどさまざまなタイプがあります。 なかにはふた付きのボックスパレットもありますよ。   ボックスパレットは、次のような種類にも分けられます。  

ロールボックスパレット

ロールボックスパレットは、ボックスパレットにキャスターがついたタイプのものです。   キャスターが付いている分、人力でもたくさんの荷物を運びやすくなっており、店舗の倉庫や物置などのバックヤードで使用されるケースも多いです。  

サイロパレット

サイロパレットは、密封状のふたと側面、下部に開閉機能のあるふたをもつパレットです。 主に、粉粒体の物資を運ぶ際に使用されます。  

タンクパレット

タンクパレットは、液体を運ぶ際に使用されています。 液体を入れるタンクの周りを、金属部品が保護するという構造になっています。  

ポストパレット

ポストパレットは、支柱があるタイプのパレットです。 支柱によって強度が増しているので、荷物を積んだまま縦に積むこともできます。   支柱が固定式のものや、折りたたみや取り外しが可能なタイプなどがあります。  

シートパレット

シートパレットは、特殊クラフト紙や合成樹脂を使用したシート状のパレットです。 シートパレットの運搬には、専用のフォークリフトが使われます。   袋に入れて管理する米や肥料、飼料などを運ぶ際によく用いられています。    

パレット輸送のメリット・デメリット

パレット輸送のメリット・デメリットについてご紹介します。  

パレット輸送のメリット

パレット輸送のメリットは、以下の3つです。
  • 荷物をまとめて管理・保管・運搬ができる
  • 荷物を積んだ状態で安定性を保てる
  • 荷物の破損リスクを抑えられる
  これらのメリットについて、それぞれ説明します。  

荷物をまとめて管理・保管・運搬ができる

パレット輸送のメリットとしてまずあげられるのは、荷物をまとめて管理・保管・運搬ができるという点です。 パレット単位で荷物をまとめておくことができるので、管理や保管、そして運搬の手間が省けます。  

荷物を積んだ状態で安定性を保てる

パレットを組み立てたままの状態であれば、荷物を積んだ状態でも安定性を保つことが可能です。 積荷をまとめて下ろすこともできるので、作業効率も上がります。  

荷物の破損リスクを抑えられる

荷物をひとつひとつ手作業で積み込む場合、積み下ろしの回数が増えてしまうため、破損や汚損をしてしまう可能性も高くなります。 また、手作業だと荷物の一部分に強い力が加わってしまうこともあり、破損につながるケースも。   パレット輸送の場合、荷物は周囲を梱包用のラップフィルムで包んでひとまとめにします。 フォークリフトはパレットに機械を差し込んで運搬し、荷物に直接触れることはないため、破損や汚損のリスクを抑えることができます。  

パレット輸送のデメリット

パレット輸送のデメリットは、以下の3つです。
  • フォークリフトがないと移動できない
  • 大きなスペースを取る
  • 荷崩れする可能性がある
  デメリットについても、それぞれ説明します。  

フォークリフトがないと移動できない

パレット輸送のデメリットとして、フォークリフトがないと移動できないという点があげられます。 荷物の種類にもよりますが、フォークリフトがない場面での運搬・輸送はあまり効率的ではなく、手間も負担もかかってしまいます。   フォークリフトの操作が可能なスタッフを多く配備する、フォークリフトが余裕を持って通れる通路幅で倉庫や工場のレイアウト設計を行うなど、事前の準備も大切です。  

大きなスペースを取る

パレットは荷物を管理するには便利ですが、大きなスペースを取ります。 狭い工場や倉庫でのパレットの使用は、それだけで作業スペースが減少してしまうことになるため、作業スペースを含めて適切なプランニングが必要です。   倉庫での保管効率について、下記のコラムでご紹介しておりますので、あわせて参考にしてみてくださいね。 倉庫の保管効率をアップ!把握方法や改善方法を詳しくご紹介  

荷崩れする可能性がある

フォークリフトでパレット輸送している際に、揺れによって荷崩れする可能性があります。 また、荷物や商品を下ろす際に保護するためのラップを外す必要があるのですが、そのときも荷崩れを起こすことがあります。   安全なパレット輸送を行うためにも、マニュアル作成や定期的な安全教育などを実施し、現場の安全管理に努めましょう。    

パレット輸送とは荷物運搬の手段の1つ!

パレット輸送は、「パレット」と呼ばれる荷物を載せるための荷役台を用いた輸送方法。   パレット輸送で使われるパレットにはさまざまな種類がありますが、以下のようなパレットが使われることが多いですよ!
  • 平パレット
  • ボックスパレット
  • ポストパレット
  • シートパレット
  パレット輸送は、フォークリフトがないと運搬が難しかったり、パレットを置くために広いスペースが必要であったりするなどのデメリットも。   一方で、多くの荷物を一度に運搬できたり、作業負担が減ったりとメリットが大きい輸送方法でもあるので、ぜひ活用を検討してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

三村 和弘

キチナンロジスティクス株式会社 営業部 課長

2021年中途入社。キチナンロジスティクス株式会社営業部。趣味はゴルフと磯釣りで、休日は妻とゴルフの練習に行ったり、職場仲間と打ちにいくこともしばしば。特技は早起きです。好きな言葉は「誠心誠意」。