こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの津田です。

物流倉庫で働く皆さんにとって、騒音は日常的な悩みの一つではないでしょうか。

機械の稼働音やトラックのエンジン音など、倉庫内ではさまざまな音が発生し、作業効率の低下や健康への影響が懸念されます。

今回は、倉庫騒音が引き起こす問題から対策方法まで詳しく解説していきます。

騒音対策の重要性を理解し、より良い作業環境を実現するためのヒントをお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

物流倉庫の騒音で引き起こされる問題

物流倉庫における騒音は、単なる不快感にとどまらず、以下のような問題を引き起こす可能性があります。

作業効率の低下

機械の稼働音やトラックのエンジン音などが常時発生する環境では、細かな作業に必要な注意力を維持しにくく、集中力が低下します。

さらに、騒音によるストレスは疲労感を増大させ、作業のスピードや精度にも悪影響をおよぼすことに。

その結果、物流業務全体の生産性が大きく損なわれます。

倉庫内の作業効率向上については、「倉庫作業を効率化しよう!改善アイデアや課題をチェック」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参考ください。

事故リスクの増大

騒音によってコミュニケーションが阻害されることで、重大な安全上の問題が発生します。

作業指示の伝達ミスや緊急時の連絡不備、フォークリフトなどの接近に気付かないといった状況が生まれやすくなります。

特に倉庫内では多くの機械が稼働し、重量物の移動も頻繁に行われるため、音による警告や指示が聞き取れないことは重大な事故につながる危険性があります。

従業員の健康被害

長時間にわたって高い騒音レベルにさらされることで、従業員が健康被害を受ける可能性があります。

継続的な騒音は疲労感や頭痛を引き起こし、さらには難聴などの聴覚障害につながる場合も。

また、騒音によるストレスは睡眠障害や精神的な不調を招き、従業員の健康と働きやすさに深刻な影響を与えます。

近隣住民や社会的な影響

騒音の影響を受けるのは、倉庫内で働く従業員だけではありません。

倉庫外部へ騒音が響く場合は、近隣住民との関係悪化を招く可能性も。

特に住宅地に近い立地の倉庫では、早朝や夜間の稼働音、トラックの出入り音、機械の稼働音などが近隣住民のストレスになってしまうケースもあります。

騒音規制法や各自治体の条例により、時間帯や地域ごとに騒音レベルの基準が定められており、これらを超過すると行政指導や改善命令の対象となります。

深刻なケースでは、近隣住民からの損害賠償請求や営業差し止め訴訟に発展する場合も。

そのようなことが起これば、企業のイメージダウンにもつながり、事業運営にも大きな影響を与えるでしょう。

このように、倉庫騒音は作業効率から企業の社会的責任まで、幅広い問題に関わるため、適切に対策をしておくことが大切です。

物流倉庫でできる騒音対策

荷物を運ぶトラック

物流倉庫の騒音対策は、「発生源対策」「建屋対策」「屋外対策」の三段階で体系的に進めることが効果的です。

音の発生源を直接制御する対策

騒音の根本的な解決には、音の発生源そのものへの対策が最も有効でしょう。

フォークリフトやベルトコンベア、空気圧縮機などの機械設備については、防音室の設置や防音壁・防音シートによる囲い込みが効果を発揮します。

特に振動をともなう騒音については、機械本体への制振シートの貼付や、床面への防振材の敷設により、振動音を軽減できます。

また、機械の配置変更も重要な対策の一つです。

騒音源となる設備を建物の中央部に移設したり、近隣住宅から離れた位置に配置することで、外部への音の伝播も抑制できるでしょう。

さらに、定期的なメンテナンスにより機械の異常音を早期に発見し、適切な修理や部品交換を行うことも騒音予防につながります。

建物全体での遮音・吸音対策

倉庫の建物自体の防音性能を向上させることも重要な対策です。

内壁や外壁、天井への遮音材の設置により、建物内部の反響音を減らし、外部への音漏れも防げます。

防音パネルや吸音材の効果的な配置により、作業環境の改善と近隣への配慮を両立させましょう。

加えて、開口部の対策も見逃せない対策ポイント。

出入口や窓への二重扉・二重窓の設置、隙間へのパッキンの施工などにより、音の漏出を抑制できます。

換気設備についても、給排気口の位置や向きの調整、ダクト内への消音材の設置で、必要な換気機能を保ちながら騒音を軽減できるでしょう。

敷地境界での最終的な防音対策

建物周辺での対策は、近隣への配慮として特に重要です。

防音壁の設置は効果的な方法の一つ。

防音壁の高さや材質、設置位置を適切に計画することで、コストを抑えながら効果を得られるでしょう。

排気ダクトや屋外発電機、空調設備の室外機などには、周りに吸遮音パネルを設置するなど、屋外設備への対策も大切です。

屋外設備への対策は、耐候性や耐久性を重視した製品選択が必要です。

また、トラックの待機・荷役エリアの整備も忘れずに。

エンジン音や作業音の影響を最小限に抑えるため、近隣住宅から離れた位置への待機エリアの設定や、防音壁による遮蔽を検討しましょう。

倉庫の騒音対策で快適な作業環境を実現しよう

倉庫の騒音は作業効率や従業員の安全・健康、そして近隣住民との良好な関係維持において重要な課題です。

正しく騒音対策を行うことで、作業効率の向上と企業の社会的責任の両立が実現できます。

発生源に対する対策から建物そのものの構造の改善、屋外での防音対策まで、段階的かつ体系的なアプローチが騒音問題の解決につながります。

継続的な改善と定期的な見直しを重ねながら、効果的な騒音対策に取り組んでいきましょう。

自社での対策が難しい場合は、自社での倉庫運用から物流アウトソーシングサービスの活用に移行することも効果的な解決策の一つです。

キチナングループでは、倉庫保管サービスを提供しております。

荷物を預かるだけではなく、入庫から輸送まで一貫した保管サービスが可能!

西日本を中心に、流通加工や検査、検品、梱包なども可能な拠点を保有しており、お客様の物流をトータルでサポートいたします。

倉庫保管でお悩みの方は、ぜひご検討・ご相談ください。

この記事を書いた人

津田 康平

キチナングループ株式会社 倉庫事業部 主任

2018年中途入社。キチナングループ株式会社 倉庫事業部営業部。前職でも営業をしていました。プライベートでは奥様と買い物に行ったり、趣味のゴルフやバス釣りを楽しんでいます。好きな言葉は「この道より 我を活かす道無し この道を歩く」。