こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの末次です。

物流現場で発生する商品の破損事故は、企業にとって大きな課題です。

今回は、物流で破損事故が起こりやすい場面から具体的な対策方法、そして万が一事故が発生した場合の適切な対応まで、実践的な破損対策について詳しく解説します。

輸送面でさらなるお客様満足度の向上を目指す企業担当者の方にとって、きっと役立つ情報となるはずです。

物流の破損事故が起こりやすい場面

物流現場ではさまざまな要因によって破損事故が発生しますが、破損事故が特に起こりやすく、注意が必要な場面があります。

破損事故が最も発生しやすいのは「積込み作業時」と「荷卸し作業時」。

これらの作業は人の手が直接関わる場面であり、作業者の注意不足や操作ミスが事故につながりやすい特徴があります。

輸送中においても、一般道での走行時と高速道路での走行時の両方で破損リスクが存在します。

道路状況による振動や急ブレーキ、カーブでの遠心力などが、商品に影響を与える場合も。

また、物流中継ターミナルでの積み替え作業や、保管中の落下事故なども報告されています。

特に海外輸送では、国内輸送よりも破損リスクが高くなる傾向にあります。

輸送距離の長さや複数の業者が関わることによる取り扱い回数の増加、文化や作業習慣の違いなどが要因として考えられます。

破損事故の主な原因

物流における破損事故の原因として最も多いのが「落下」です。

次に多いのが「振動」「フォークリフトの突き当て」「転倒」「荷崩れ」といった物理的な衝撃によるもの。

これらの原因に共通するのは、「商品に強い衝撃が加わることで破損が発生する」ということです。

そのほかにも「濡れ」による商品の損傷や、箱同士の「衝突」による外装破損なども報告されています。

また、温度変化による影響も無視できません。

高温や低温環境での保管・輸送時には商品の品質劣化にも注意が必要です。

物流に関連するトラブルについてより詳しく知りたい方は、「輸送中に起こりやすいトラブルとは?原因と対策をチェック」もご参照ください。

物流での破損対策としてできること

破損事故を防ぐためには、さまざまな面からのアプローチが必要です。

物流現場での破損対策例

具体的な対策方法をご紹介します。

適切な梱包材料と方法の選択

商品の特性に合った梱包は破損防止の基本です。

具体的には以下の工夫が有効です。

  • 商品の重量や形状に合った強度の梱包資材を使用する
  • 商品特性に合わせた緩衝材を選択する
  • 底面は十字貼りやキ貼りで補強する
  • ケアマークを表示しする

梱包の工夫は、破損防止のための基本の対策です。

適切な梱包資材を選ぶことはもちろん、緩衝材の選択も大切です。

緩衝材には、気泡緩衝材、エアー緩衝材、紙緩衝材、バラ緩衝材などの種類があります。

また、底面の補強は重い商品の底抜けを防ぐことにつながります。

作業者に注意を促す「ケアマーク」の表示も検討しましょう。

物流オペレーションの見直し

現場環境の改善と業務プロセスの見直しにより、作業者の不注意や疲労による事故を防止し、破損リスクを抑えることもできます。

  • 倉庫内を整理整頓し、通路を確保する
  • 棚や機械を固定する
  • 作業プロセスをマニュアル化する
  • 作業者の健康管理を徹底する
  • 不必要な積み替えや長距離輸送を避ける

倉庫内の整理整頓や棚の固定など、基本の安全対策は徹底しましょう。

また、商品を扱う作業だけではなく、スタッフ同士の声掛けなどの安全対策も含めてマニュアル化しておきましょう。

無駄な積み替えや長距離輸送が発生しないよう、輸送ルートを最適化することも破損対策につながります。

社員教育と安全管理の実施

従業員教育は破損対策の要です。

新入社員だけでなくベテラン社員も対象に、定期的な研修を行うことが重要です。

  • フォークリフトやトラック運転の技術研修を実施する
  • 事故事例を共有し、再発防止策を考える

安全設備と技術の導入

最新の設備を取り入れることで、破損を未然に防ぐことができます。

機器の導入は責任の所在を明確化し、同時に作業者の意識向上にもつながります。

例えば、以下のような機器・設備の導入を検討してみましょう。

  • 突防止補助システム・バックアイカメラ
  • ドライブレコーダー
  • アルコールチェッカー
  • 衝撃検知シール・レコーダー

物流品質とは?チェックポイントや改善策をご紹介」のコラムでも、物流品質の内容や品質向上のための対策を詳しくご紹介しています。

もしも輸送中に破損が起きてしまったら

オペレーター

対策に万全を期しても破損を100%防げるわけではありません。

事故発生時の対応を事前に把握しておくことが被害を最小化する鍵となります。

初期対応と状況確認

破損を確認したら、状況を正確に記録し写真も撮影します。

運送業者・保険会社・お客様へ迅速に連絡し、証拠となる商品や梱包材を保管して原因究明に備えます。

補償と責任の明確化

破損補償は、運送契約や貨物保険に基づいて行われます。

補償には迅速な通報と書類提出が必要です。

責任の所在が不明な場合も多く、契約内容や保険条件にも補償の有無が左右されるため、事前の確認が大切です。

お客様への対応

お客様には正直かつ迅速に事実を伝え、対応方針を明示します。

補償の進捗を随時報告し、不安を軽減することも大切です。

代替品対応や返金を速やかに行い、再発防止策を説明することで信頼回復に努めましょう。

物流の破損対策を徹底しサービス品質向上を目指そう

破損事故は、積込み作業時や荷卸し作業時に特に多く発生します。

落下のほか、振動やフォークリフトの突き当て、転倒、荷崩れなど、商品に強い衝撃が加わることで破損事故が発生してしまうケースが多いです。

物流における破損対策は、適切な梱包から作業環境の整備、従業員教育、安全設備の導入まで、さまざまな面からのアプローチが必要です。

事故が発生した場合も、お客様との信頼関係を維持できるよう、迅速で誠実な対応を心がけましょう。

継続的な改善活動を通じて、より安全で信頼性の高い物流サービスの提供を目指しましょう。

キチナングループでは貨物輸送サービスを提供しています。

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効率的な物流設計によるワンストップサービスを提供していますので、ぜひ一度ご相談ください。

この記事を書いた人

末次 正人

キチナンロジスティクス株式会社 営業部 部長

1996年新卒入社。キチナンロジスティクス株式会社 営業部。入社してからは茨城県や大阪府など様々な場所で配車や営業を経験。プライベートでは家族との時間を大切にしています。趣味はゴルフと食べ歩き。好きな言葉は「感謝」。