こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの岡です

物流現場では、さまざまなパレットの積み方を目にする機会があるでしょう。

荷物の種類によって、パレットの積み方やそのコツが異なるのはご存じでしょうか。

今回は、パレットの積み方の種類や重要性、異なる種類の荷物を積む際の注意点などについて詳しく解説していきます。

物流現場での作業効率向上や荷崩れ防止に役立つ情報ですので、ぜひ最後までご覧ください。

パレットは積み方が重要!

パレットへ荷物を積み込む作業は物流用語で「パレタイズ」と呼ばれます。

この作業は一見単純に見えますが、荷物の安全や作業効率に大きく影響する重要な工程です。

パレットの積み方が悪いと、以下のような問題を引き起こす可能性があります。

  • 荷崩れによる商品破損
  • 作業効率の低下
  • コスト増加
  • 安全性の低下

パレットの不適切な積み方で荷崩れが発生してしまうと、商品が損傷してしまったり、作業員の安全が脅かされてしまったりすることも。

また、作業効率の低下や必要以上のパレットを使うことによるコストの増加にもつながります。

なお、パレットに荷物を積む際の並べ方のことを「パレットパターン」と言います。

適切なパレットパターンで正しくパレタイズすることで、荷崩れを防ぎ、効率的な物流を実現できるのです。

パレットの積み方の種類をチェック!

パレットの積み方は、荷物の形状や特性に合わせて最適なパターンを選ぶことが大切です。

代表的な積み方と、それぞれの特徴や向いている荷物についてご紹介します。

パレットの積み方

パレットには、大きく以下の6種類の積み方があります。

①ブロック積み(平積み)

荷物を全て同じ向きで積み重ねていく、最も基本的な積み方です。

【メリット】

  • 積み方が単純で作業スピードが速い
  • 荷物の取り出しがスムーズ
  • 均一な形状の荷物なら安定性が高い

【デメリット】

  • 横方向からの力に弱く、振動で荷崩れしやすい
  • 長距離輸送には向いていない

【適している荷物】

  • 安定した形状の荷物
  • 短距離輸送の荷物
  • 外部からの固定が可能な荷物

②交互列積み(インターロック積み)

ブロック積みの応用形で、一段重ねるごとに荷物の向きを90度回転させて積み上げます。

【メリット】

  • 荷崩れしにくい構造になる
  • 横からの力に対する抵抗力が高い

【デメリット】

  • 荷物の縦横比によっては適用が難しい
  • 並べたときに全体が正方形になる形状の荷物でないと効果的に使えない

【適している荷物】

  • 縦横比率のバランスがとれた形状の荷物
  • 長距離輸送する荷物

③ピンホール積み(風車形積み付け)

荷物を風車のような形に組み合わせた積み方で、中央に空間ができるのが特徴です。

【メリット】

  • 段ごとに向きを反転させることで安定性が高まる
  • 中央の空間が通気性を確保し、温度管理がしやすい

【デメリット】

  • 中央の空間により積載効率が下がる
  • 積むのにやや時間がかかる

【適している荷物】

  • 温度管理が必要な荷物
  • 通気性を確保したい荷物

④ダブルピンホール積み

ピンホール積みの発展型で、中央の空間部分を2つに分けた積み方です。

【メリット】

  • 積載効率が高い

【デメリット】

  • 積み方が複雑で手作業では時間がかかる

【適している荷物】

  • 小型の荷物

⑤レンガ積み

レンガを積み上げるように、1つの段の中で縦横方向に向きを変えて積む方法です。

一段ごとに180度ずつ向きを変えて積み上げていきます。

【メリット】

  • 安定性が高く荷崩れのリスクが低い
  • 外側から荷物の確認がしやすい

【デメリット】

  • 積み方がやや複雑で時間がかかる
  • 全体が長方形の形になりやすい

【適している荷物】

  • 長方形のパレットやカゴ車に積み込む荷物
  • 検品が必要な荷物

⑥窓積み

レンガ積みの横向きの部分を2列に増やした積み方です。

各段で180度向きを変えて互い違いに重ねていきます。

【メリット】

  • 安定性と検品のしやすさを両立できる
  • 特殊な形状のパレットにも対応しやすい

【デメリット】

  • 積み方が複雑で時間がかかる

【適している荷物】

  • 安定性と検品のしやすさを両立できる
  • 特殊な形状のパレットにも対応しやすい

「〇回し〇段切り」という指示は何を指す?

物流現場における積み方の指示で、「6回し1段切り」「8回し4段切り」のような「◯回し◯段」という言い方をよく使います。

これは積み方のパターンではなく、積載数と段替えの指示を表しています。

「◯回し」は1段あたりの荷物数、「◯段切り」は何段ごとに向きを変えるかを意味します。

例えば「8回し3段切り」なら、1段に8個の荷物を配置し、3段ごとに向きを変えるという指示になります。

積み方のパターン(ブロック積みやレンガ積みなど)と組み合わせて指示されることが多いので、両方の意味を理解しておくと現場での作業がよりスムーズになるでしょう。

異なる種類の荷物はどう積む?積み方で注意すべきこと

トラックに荷物を積む

実際の物流現場では、同じ種類の荷物だけでなく、異なる形状・重量・特性の荷物を一つのパレットに積むことも少なくありません。

混載時の重要なポイントをいくつかご紹介します。

ラップ巻きを活用する

さまざまな荷物を積んだパレットは、ストレッチフィルム(ラップ)で包むことで全体の安定性を高められます。

これは、荷崩れ防止の基本中の基本といえるでしょう。

ただし、内部で荷崩れが起きると、外側がラップで固定されていても全体が変形し、荷物の破損や作業安全性に問題が生じる可能性があります。

ラップ巻きのみに頼るのではなく、適切な積み方とラップ巻きを組み合わせることがポイントです。

重量バランスを考慮する

異なる荷物を積む際の鉄則は「重いものは下、軽いものは上」です。

この原則を守らないと、次のような問題が発生します。

  • 下部の軽い荷物が上部の重い荷物の重みで変形・破損する
  • 重心が高くなり不安定になる
  • 全体のバランスが崩れやすくなる

また、柔らかい素材の荷物は圧力で変形しやすいため、硬い荷物の下に配置するのは避けましょう。

オーバーハングを防止する

オーバーハングとは、荷物がパレットや下の荷物からはみ出している状態を指します。

オーバーハングには次のようなリスクがあるため、極力避けるべきです。

  • はみ出した部分に支えがなく重みで変形する
  • 重心が偏って不安定になる
  • 振動や衝撃で崩れやすくなる

荷物はパレットの範囲内に収め、各層でも下の層からはみ出さないよう注意しましょう。

特にパレットの縁からはみ出すことは避けてください。

安定性を高める工夫をする

応用テクニックとして、最上部に適度な重さの荷物を「重し」として置く方法があります。

これにより軽量な荷物が振動や風で動くのを防ぎ、全体の安定性を高められます。

下の荷物を潰さない適度な重さを選ぶなど、荷物の特性に合わせてバランスを調整しましょう。

パレット輸送について理解を深めたい方は、こちらのコラムもご参考ください。

パレット輸送とは?種類やメリット・デメリットを解説

スキッドとパレットの違いは?メリット・デメリットも解説!

適切なパレットの積み方を取り入れて安全輸送を実現!

パレットの積み方には、作業効率の良いブロック積みや安定性の高い交互列積み、安定性と検品のしやすさを両立するなど多様なパターンがあります。

また、異なる形状の荷物を混載する場合は、ラップ巻きやオーバーハング防止などの工夫が必要です。

適切なパレットの積み方を実践することで、荷崩れを防止し、安全で効率的な物流を実現できるでしょう。

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この記事を書いた人

岡 拓人

キチナングループ株式会社 倉庫事業部

2021年新卒入社。キチナングループ株式会社 倉庫事業部。幼少期に始めた野球を今でも仲間と楽しくプレー中。終わった後は飲みに行くことが好き。笑顔には自信があります!好きな言葉は「ありがとう」。感謝を忘れず精進します。