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2023.09.15

派遣の専門26業務とは?法改正による廃止の影響と背景を解説

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こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの白石です。

 

労働者派遣法は時代の流れに合わせて頻繁に改正されています。

今回はその中でも2015年の法改正で廃止された「専門26業務」について解説。

 

専門26業務とはどんな制度で、どうして廃止されたのか。

法改正の狙いと、それによる働き方への影響、現在の状況などをご紹介します。

PC操作

 

 

派遣の専門26業務とは?

派遣の「専門26業務」とは、派遣の仕事の中でも特に専門的な知識やスキルが必要とされていた特定の業務のことです。

 

2004年の派遣法の改正により、一般的な派遣業務は派遣期間の上限が3年と定められていました。

しかし、専門知識やスキルを必要とする専門26業務については派遣期間の上限がなく、無期限で働くことができたのです。

(2012年の派遣法改正で28業務が対象となりましたが、「専門26業務」という言葉が浸透しているので、ここでは「専門26業務」として解説します。)

 

専門26業務(28業務)には以下の業種が該当します。

  1. ソフトウェア開発
  2. 機械設計
  3. 事務用機器操作
  4. 通訳、翻訳、速記
  5. 秘書
  6. ファイリング
  7. 調査
  8. 財務処理
  9. 取引文書作成
  10. デモンストレーション
  11. 添乗
  12. 受付・案内
  13. 研究開発
  14. 事業の実施体制の企画、立案
  15. 書籍等の制作・編集
  16. 広告デザイン
  17. OAインストラクション
  18. セールスエンジニアの営業、金融商品の営業
  19. 放送機器等操作
  20. 放送番組演出
  21. 建築物清掃
  22. 建築設備運転、点検、設備
  23. 駐車場管理等
  24. インテリアコーディネーター
  25. アナウンサー
  26. テレマーケティング
  27. 放送番組等の大道具・小道具
  28. 水道施設等の設備運転等

 

派遣は比較的短期間の有期雇用が前提の働き方です。

しかし、専門26業務は専門性の高い仕事で、人によって仕事の完成度が大きく変わる可能性があります。

 

そのため、短期間で担当者が入れ替わっては困るということから、派遣期間の上限(3年ルール)の適用外となっていました。

 

このような業務の特性から、専門26業務は派遣元会社と常用雇用の雇用契約を結ぶ「特定派遣」で雇用されていることが多くありました。

 

対して、一般的な派遣契約は、派遣会社に登録をしておき、派遣先が決定した段階で雇用契約を結びます。

派遣が終了すれば雇用契約も終了する「一般派遣」です。

 

 

労働者派遣法の改正で専門26業務が廃止!その背景は?

労働者派遣法は時代背景に合わせて頻繁に改正されています。

 

2015年の法改正では専門26業務の制度が廃止となり、業種に限らず全ての一般派遣で派遣期間の上限が3年となりました。

「特定派遣」についても廃止となり、「派遣元との無期雇用契約」という形が新設されています。

 

専門26業務が廃止になった理由は、主に以下の3つです。

  • 専門26業務が明らかに専門性の高い業務とはいえなくなってきたため
  • 職種によって雇用期間上限が違うのは制度としてわかりにくいため
  • 雇用の安定性を高めるため

 

確かに、先ほどご紹介した業種を見ても、専門性が明らかに高いという印象ではなくなってきたのではないでしょうか。

 

また、職種によって派遣期間の上限が異なるため、一般的な業務でも書類上で専門26業務として無期限に雇用するという不正が行われるケースがあったのも、理由の一つといわれています。

 

では、専門26業務が廃止になった理由の一つである「雇用の安定性を高めるため」とはどういうことでしょうか。

一見すると、派遣期間の上限なく働けた方が安定雇用のように感じます。

しかし、派遣社員はあくまで「いつでも契約終了できる労働力」。

いつ契約更新がストップするともわからない不安定な雇用形態なのです。

 

そこで法改正により、派遣先企業に対して派遣社員に長期で働いてもらいたいなら正社員や直接雇用で迎え入れるよう促すことで、雇用の安定化の促進を図ったのです。

 

 

派遣は3年以上働けない?専門26業務廃止の影響と現状

外国人の通訳

2015年の法改正で専門26業務が廃止になり、一般的な派遣では全ての業種で派遣期間の3年ルールが適用となりました。(無期雇用派遣や年齢による例外あり)

 

3年ルールには、「個人単位の派遣期間制限」と「事業所単位の派遣期間制限」の2つがあるので整理しておきましょう。

 

個人単位(派遣社員)の派遣期間制限

同じ派遣社員を同一企業・同一部署の派遣先に3年を超えて派遣することはできません。

同一企業でも部署と業務が変われば問題はありません。

 

事業所単位の派遣期間制限

同一事業所で3年を超えて派遣社員を受け入れることはできません。

派遣社員が変わったとしても、継続して3年を超えることは原則不可です。

しかし、3年が経つ前に事業所の過半数労働組合などから意見聴取をすることで、さらに最長3年の受け入れをすることができます。

 

専門26業務の廃止は、雇用の安定化も目的の一つ。

2015年の法改正では専門26業務の廃止と同時に、雇用安定化措置の義務化も規定されました。

 

3年の期間満了で派遣契約が終了した際、派遣元会社は派遣社員の希望に沿って以下の対応を取る必要があります。

  • 派遣先へ直接雇用を依頼する
  • 別の派遣先を提供する
  • 派遣元企業で無期雇用する
  • 職業訓練や紹介予定派遣などを提供する

 

ただし、派遣社員の期間満了による契約変更がうまくいくかどうかは、派遣会社の質にかかっている部分が大きいです。

契約満了前後をしっかり考え、派遣先企業・派遣社員の双方と丁寧にコミュニケーションをとっている派遣会社を選ぶことが重要でしょう。

 

適切な人材に長く安定して働いてもらうためにも、派遣会社選びは重要なポイント!

派遣会社の選び方はどうする?企業側が気を付けるポイントを解説」では、派遣先となる企業側が派遣会社を選ぶ際の注意点などをまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

キチナングループでは、物流業界に特化した人材派遣サービスを提供しています。

専任のコーディネーターが、職場とスタッフの適正を見極めてミスマッチの少ないマッチングを提案。

地域に密着型だからこその最適なスタッフの派遣で、お客さまのビジネスを支えます。

 

 

派遣法改正で専門26業務は廃止し、雇用の安定化を図る仕組みに

派遣の専門26業務とは、専門性の高い26(28)業種のことです。

派遣期間上限の3年ルールの適用外で、実質的に無期限に働くことができました。

 

しかし、2015年の法改正により専門26業務は廃止。

一般派遣は業種に関わらず、派遣期間の上限は3年となりました。

 

専門26業務が特別専門的な業務ではなくなってきたことに加え、雇用の安定化を促進するための改正です。

派遣期間の上限がないとはいえ、あくまでも派遣は一時的な雇用形態。

派遣期間に上限を付けることで、派遣先企業に対して「派遣スタッフに長く働いてほしいなら直接雇用すること」を促し、雇用の安定化を図ったのです。

 

専門26業務の廃止と同時に、派遣元企業は期間満了の派遣社員の希望に応じて雇用安定化措置をとることも義務化されました。

 

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この記事を書いた人

キチナングループ株式会社 生産事業部 課長白石 重利

2021年中途入社。キチナングループ株式会社 生産事業部営業部。前職では大手人材企業で営業や人事にも関わっていました。プライベートでは家族との時間を大切にしています。子供がかわいすぎます。趣味はサッカーと大学時代にも夢中になっていたバンド活動。好きな言葉は「環境は自分で創る」。

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