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2023.10.30

派遣・請負・業務委託の違いとは?メリット・デメリットを解説

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こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの白石です。

 

近年は働き方が多様化し、直接雇用の会社員のほかにも派遣や業務委託契約、フリーランサーなどさまざまな雇用形態や契約形態で働く人が増えています。

企業側もこれらの雇用形態・契約形態を理解して、活用を進める必要があるでしょう。

 

今回のコラムではさまざまな契約形態の中から、派遣、請負、業務委託の3つについて解説。

それぞれの契約形態の特徴と違い、契約を結ぶ企業にとってのメリット・デメリットをご紹介します。

働く人々

 

 

派遣・請負・業務委託の違い

派遣・請負・業務委託の働き方は似ているところもあり、混同している方も多いかもしれません。

まずはこの3つの特徴や違いについて確認しましょう。

 

派遣

派遣とは、派遣元と雇用契約を結んだ労働者(派遣社員)を自社の労働に従事させる契約形態です。

労働者の雇用先は派遣元会社、就業場所や指揮命令関係は派遣先会社にあります。

 

派遣先企業の管理下で指示を受けながら行う仕事などは、派遣契約が向いています。

 

請負

請負は企業が業務を社外の人間に依頼する際の契約形態の一つで、請負人は企業へ「仕事の完成(成果物)」を約束します。

 

請負契約は「成果物を期限までに納めてもらい、それに対して報酬を支払う」という契約です。

依頼企業には指揮命令関係はなく、作業方法や工程、作業場所、時間などの指示は出せません。

 

請負契約は、業務の高低や進め方にはこだわらず必要な成果物が納品されれば良い業務に向いています。

例えば、システム開発やWeb制作、講演会など成果物が明確なものが該当します。

 

製造業でも請負契約があり、全体や一部の製造工程を委託することで業務の効率化を図れます。

製造請負とは?派遣との違いやメリット、注意点まで詳しく!」でも、詳しくご紹介しています。

請負契約で注意すべき偽装請負についても解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

業務委託

業務委託とは「請負契約」「委任契約」「準委任契約」を総称する言葉です。

 

業務委託契約は、依頼企業と請負人(受託者)で業務を遂行することを約束する契約。

「業務の遂行」が指す内容は広く、それが「成果物の納品」の場合は請負契約に、成果物の納品ではなく業務そのものが目的の場合は委任契約や準委任契約となります。

こちらも業務委託契約で業務の内容や期日、報酬などを取り決めて業務を依頼します。

 

請負契約は業務の完成・完成品の納品が必須ですが、業務の遂行が目的である委任契約・準委任契約では受託者成果物の完成責任は負いません。

 

裁判や契約など法律行為の遂行を依頼するのが委任契約、法律行為以外の遂行を依頼するのが準委任契約です。

 

 

派遣・請負・業務委託の企業にとってのメリット・デメリット

派遣・請負・業務委託はどれも、業務遂行のための自社のコストや負担を軽減できるのがメリットです。

 

優秀な派遣社員を受け入れたり、請負人(受託者に)に委託したりすることで、スキルや専門知識を持つ人材の採用・教育の時間や費用、手間をかけることなく業務を遂行できます。

短期間でプロジェクト単位の活用できるので、大きな費用になる人件費を変動制のコストとして管理することも良い点でしょう。

 

上記のメリットは共通の部分ですが、さらに派遣と請負・業務委託で特筆すべきメリットとそれぞれのデメリットについてご紹介します。

 

派遣のメリットとデメリット

派遣は指揮命令関係もあるので、派遣社員を自社の管理下でディレクションできることも大きなメリット。

意図が正確に伝わるので業務遂行の精度が上がり、進捗も把握できます。

 

ただし、派遣のデメリットとして、依頼できる業務内容や契約期間に制限があることに注意を。

また、労働者派遣法改正で「同一労働同一賃金」が規定されたこともあり、派遣を活用するコストは年々増大しています。

 

請負・業務委託のメリットとデメリット

請負・業務委託で特筆できるメリットは、契約内容の柔軟性が高いことです。

 

プロジェクトの状況に合わせて、期日や報酬といった条件を話し合って決められます。

請負・業務委託には発注側に指揮命令関係はありませんが、その分、労務管理が不要であることもメリットといえるでしょう。

 

一方、社内にノウハウやスキルの蓄積が難しいことがデメリットといえます。

また、業務工程や進捗の把握や管理は行わないので「期日までに期待通りの成果物が納品されない」「業務が完了しない」というリスクがあることも、念頭におく必要があるでしょう。

 

 

派遣・請負・業務委託は今後どうなる?

仕事をする女性

人材不足問題への対応や働き方改革の取り組みなどから、働き方は多様化が進んでいます。

 

特に請負・業務委託といった契約形態はフリーランス人材の活用促進や副業を解禁する企業の動きなどから、今後さらに注目を集め、活発化すると見られています。

 

一方、派遣は2020年にスタートした、雇用形態が違っても同じ賃金や待遇としなければならないという「同一労働・同一賃金」による賃上げを歓迎する声と、コスト増による企業負担を懸念する声があります。

 

また、コロナ禍による採用ニーズの減少など景気の変動を受けやすいことにも注意が必要です。

ただし、医療や物流など慢性的な人手不足が続いている業界もあり、人材需要に関しては二極化が進む可能性が考えられるでしょう。

 

 

派遣・請負・業務委託の特徴と違いを知って活用しよう

派遣は、派遣元企業と雇用契約のある派遣社員を派遣先の指揮命令下で派遣先業務に従事させるもの。

業務委託は業務の遂行を依頼するもので、その中で業務の完成を約束するものが請負です。

請負・業務委託は発注者に指揮命令関係はありません。

 

企業にとって、派遣・請負・業務委託は業務遂行のためのコストや負担を軽減できるのがメリット。

派遣は自社の管理下で働いてもらうので細かな指示や進捗の管理が可能ですし、逆に請負・業務委託は指揮命令関係がないので労務管理が不要なこともそれぞれメリットです。

 

一方で派遣では、業務内容や契約期間に制限があること、請負・業務委託ではノウハウやスキルの蓄積が難しいこと、不測の事態で業務が遂行(完了)されないリスクがあることがデメリットです。

 

人材不足問題や働き方改革の取り組みなどから、働き方の多様化は進んでいます。

派遣はもちろん、請負や業務委託といった契約形態も増えていくことが予想されます。

 

この記事を書いた人

キチナングループ株式会社 生産事業部 課長白石 重利

2021年中途入社。キチナングループ株式会社 生産事業部営業部。前職では大手人材企業で営業や人事にも関わっていました。プライベートでは家族との時間を大切にしています。子供がかわいすぎます。趣味はサッカーと大学時代にも夢中になっていたバンド活動。好きな言葉は「環境は自分で創る」。

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