こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの津田です。
危険物倉庫とは、消防法によって厳密に規定された「危険物」を保管するための専用施設です。
引火・爆発・中毒などを引き起こす危険性があるものを取り扱うため、通常の倉庫とは異なる厳格な建設基準や法令の遵守が求められます。
今回は、危険物倉庫の定義や一般倉庫との違い、建設する場合の基準・手順、そして保管における注意点まで幅広くご紹介します。
危険物倉庫を自社で建設するか、外部委託を活用するかの判断にもお役立てください。
危険物倉庫とは?どんな倉庫かを解説!
危険物倉庫とは危険品倉庫とも呼ばれ、消防法で定められた「危険物」を大量に保存するための専用施設です。
一時的に保存するだけでも、必ず消防法で定められた基準を満たす必要があります。
消防法での危険物の扱いについては、消防法第十条により以下のように定められています。
『指定数量以上の危険物は、貯蔵所(車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所(以下「移動タンク貯蔵所」という。)を含む。以下同じ。)以外の場所でこれを貯蔵し、又は製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所でこれを取り扱つてはならない』
引用:消防法第十条
危険物を扱う施設の種類と倉庫の位置づけ
消防法では、危険物を取り扱える施設は大きく「製造所」「貯蔵所」「取扱所」の3種類に分類されています。
このうち「貯蔵所」に分類される施設の一つが、危険物倉庫です。
- 製造所:危険物を製造することを目的とした施設
- 貯蔵所:指定数量以上の危険物を貯蔵・保管するための施設
- 取扱所:危険物を製造・貯蔵以外の目的で取り扱う施設(ガソリンスタンドや販売店など)
危険物倉庫も含めた、そのほかの倉庫の種類に関しては「倉庫の種類を解説!倉庫業での分類を詳しくチェック!」もぜひチェックしてみてください。
危険物はどのようなものが該当するのか
危険物倉庫で取り扱う危険物は、消防法にもとづき、6つのカテゴリーに分類されます。
下記のような品目の保管や管理を行いたい場合は、危険物倉庫を検討しましょう。
◼︎第一類:酸化性固体
塩素酸塩類・過塩素酸塩類・無機過酸化物・亜塩素酸塩類・臭素酸塩類など
◼︎第二類:可燃性固体
硫化りん・赤りん・硫黄・鉄粉・金属粉など
◼︎第三類:自然発火性物質および禁水性物質
カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・アルキルリチウム・黄りんなど
◼︎第四類:引火性液体
特殊引火物・第一石油類・アルコール類・第二石油類・第三石油類など
◼︎第五類:自己反応性物質
有機過酸化物・硝酸エステル類・ニトロ化合物・ニトロソ化合物・アゾ化合物など
◼︎第六類:酸化性液体
過塩素酸・過酸化水素・硝酸・その他のもので政令で定めるもの前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
危険物の指定数量とは?
危険物を扱う上で欠かせない概念が「指定数量」です。
指定数量とは、危険物の危険性を考慮して政令で定められた、取り扱いの基準となる数量のこと。
指定数量以上の危険物を保管する場合は、危険物倉庫(貯蔵所)での保管が義務づけられています。
品目によって指定数量は大きく異なり、例えばガソリン(第四類 第一石油類)は200L、灯油・軽油(第四類 第二石油類)は1,000Lと定められています。
自社で扱う危険物が指定数量を超えているかどうかを確認することが、保管方法を検討する最初のステップです。
普通の倉庫でも危険物保管が可能になるケースがある
危険物倉庫での保管が義務づけられているのは、指定数量以上の危険物を取り扱う場合です。
保管量がごくわずかであれば、一般倉庫で保管できるケースがあります。
消防法上、指定数量の5分の1(0.2倍)未満であれば、一般の倉庫で保管することが認められています。
この範囲内であれば消防署への届け出も不要です。
一方、指定数量の5分の1以上〜指定数量未満の量は「少量危険物」に分類されます。
少量危険物は資格がなくても取り扱いが可能ですが、消防署への届け出が必要となる場合があります。
その他、各市町村の火災条例によって規制が設けられている場合もあります。
少量の危険物でも保管・管理を行う予定がある場合は、事前に管轄の消防署等に問い合わせておくと安心です。
少量危険物については「少量危険物とは?定義や保管方法、注意点を解説!」でも詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
危険物倉庫の基準を確認!一般倉庫とは何が違う?

危険物倉庫と一般倉庫の最も大きな違いは、消防法に基づく設置許可や構造基準の有無です。
一般倉庫は建築基準法や倉庫業法に基づいて建てられますが、危険物倉庫はそれに加えて消防法の設置許可が必要です。
耐火構造や防火設備、保有空地の確保、危険物取扱者の資格保有者の配置など、厳格な基準を満たさなければなりません。
【危険物倉庫に関係する届出・法令】
- 都市計画法
- 建築基準法
- 消防法
- 港湾法
- 危険物の規制に関する政令
- 火災予防条例
【危険物倉庫の建設手順】
- 消防との事前協議を行う
- 危険物倉庫を設置する市区町村へ設置許可を申請する
- 申請に不備がなければ設置許可証を受領し、工事着手へ
- 必要に応じて中間検査を行う
- 危険物倉庫が完成したら完成検査の申請をし、検査が行われる
- 検査の結果に問題がなければ完成検査証を受領する
このような厳格なルールが設けられているのは、危険物が火災・爆発・中毒など深刻な事故を引き起こすリスクを持つためです。
万が一の火災が周囲に延焼したり、爆発によって広域に被害がおよんだりした場合、人命はもちろん、地域住民や周辺施設にも多大な影響を与えます。
こうした社会的リスクを最小限に抑えるために、消防法をはじめとする複数の法令によって厳格な基準が定められているのです。
危険物倉庫の位置・規模・構造・設備の基準
危険物倉庫の建設・運用では、消防法により建物の位置から構造、設備にいたるまで細かく規定されています。
主要な基準をご紹介します。
位置の基準
危険物倉庫を建てる際、まず確認が必要なのが「保安距離」と「保有空地」の確保です。
保安距離とは、危険物倉庫と周辺の保安対象物(学校・病院・住宅など)との間に確保すべき距離のことです。
保安対象物ごとに距離が定められています。
保有空地は、万一の火災時に延焼を防ぎ、消火活動のスペースを確保するために倉庫の周囲に設ける空地です。
倉庫の構造(耐火構造か否か)と、保管する危険物の指定数量倍数に応じて、必要な空地の幅が定められています。
規模・構造・設備の基準
危険物倉庫には、火災時の延焼防止や爆発時の被害軽減を目的として、規模や構造、設備にも以下のような基準が設けられています。
- 軒高は6メートル未満で、平屋であること
- 床面積は1,000平方メートル以下であること
- 屋根は軽量金属板などの不燃材料を用いること
- 壁や梁、床などは耐火構造であること
- 窓や出入り口は防火対策を行い、ガラスは網入りにすること
- 必要な明るさや採光を確保すること
- 指定数量が10倍以上になる場合は、避雷設備を設けること
- 引火点70℃未満の危険物の取り扱いがある場合は、蒸気排出設備を設けること
- 危険物の性質に応じた消火設備を設置すること
これらの基準は法律で制約されているもの以外に、各自治体で定める条例ごとに細かく指定されるケースもあります。
なお、すでにある一般倉庫を危険物倉庫として使いたい場合、上記にご紹介した基準を満たすように改修を行い、消防法上の設置許可・建築基準法の用途変更確認が必要となります。
改修コストが新設と同等かそれ以上になるケースも少なくありません。
倉庫の転用を検討される場合は、まず専門家にご相談の上、実現可能性とコストの見通しをしっかりと確認されることをおすすめします。
危険物倉庫の運用はキチナングループにお任せ!
危険物倉庫を新設したり一般倉庫を改修したりするには、設計・申請・建設・検査と多くのステップがあり、相応のコストと時間がかかります。
「危険物の保管先を確保したいが、自社での建設は難しい」とお考えの企業様には、外部の危険物倉庫への保管委託という選択肢もあります。
キチナングループでは、山口県内全域を中心に20拠点を超える物流施設を保有し、西日本・関西エリアを軸に倉庫保管サービスを提供しています。
一般的な常温倉庫はもちろん、アパレル・医薬品に適した定温倉庫、化学製品を中心とした危険物倉庫、建材・鋼材・機械類に対応したクレーン付き倉庫など、幅広い保管ニーズに対応できる施設を揃えているのが強みです。
保管だけでなく、流通加工・検品・入出庫管理・バンニング・デバンニングなども対応しており、物流業務をトータルでアウトソーシングしていただけます。
キチナングループの危険物倉庫(山口県・岡山県)
キチナングループでも、危険物倉庫を保有しています。
化学品原料や農薬原料などの取り扱い実績があり、お客様の多様なニーズに対応しています。
宇部善和倉庫(山口県宇部市)

山陽自動車道 宇部ICから車で5分という好アクセスの宇部善和倉庫です。
危険物倉庫(966.9m² / 293坪)を保有しており、指定可燃物・毒物・劇物の保管にも対応しています。
守衛による24時間体制のセキュリティ管理で、大切な荷物を安全にお預かりします。
◼︎取扱品目:化学品原料・農薬原料・樹脂原料・雑貨 など
西大寺営業所(岡山県岡山市)

岡山県岡山市に位置する西大寺営業所では、第2類・第4類危険物に対応した危険物倉庫(32m² / 9.6坪)を保有しています。
保管だけでなく、品質管理から在庫管理、輸送まで一貫して対応いたします。
◼︎取扱品目:学生服・アパレル・化学品原料・サプリメント・危険物 など
危険物保管をキチナングループに委託するメリット
キチナングループのような外部の危険物倉庫に保管をアウトソーシングするのは、以下のようなメリットがあります。
- 初期投資が不要で、月々の保管料だけでスタートできる
- 煩雑な申請手続きや設備管理を委託先に任せられる
- 保管量の増減に応じて柔軟に対応してもらいやすい
危険物の保管量が変動する・まずは外部委託でコストを抑えたいという企業様には、アウトソーシングが特に有効です。
キチナングループには、危険物の保管に関して以下のようなお問い合わせをいただいています。
- 繁忙期だけ増加する危険物を一時的に保管したい
- 資格保有者が辞めてしまい自社倉庫で危険物の管理が難しくなった
- 保管と輸送をセットで委託できる信頼できるパートナーを探している
- 複数拠点で危険物を保管しているが、管理を一元化したい
- 事故やトラブル発生時のリスクを最小化するため、専門倉庫に預けたい など
自社運用の危険物倉庫は、長期的・大量の保管には向いていますが、危険物取扱者の資格者配置や設備管理など、継続的な運用負担も生じます。
うまくアウトソーシングを活用することで、自社の負担を軽減し、効率的な運用をしやすくなります。
危険物の保管にお悩みがあれば、キチナングループがお客様の状況に合ったご提案をさせていただきますので、お気軽にご相談ください!
▶︎キチナングループの「倉庫保管サービス」についてお問い合わせをする
危険物倉庫の知識を持って安全な保管を!アウトソーシングも選択肢に
危険物倉庫は、消防法で指定される危険物を大量に保管する専門施設。
引火や爆発など重大な事故につながる危険性を持つため、倉庫の位置・構造・設備に至るまで厳格な基準が設けられています。
新設する場合は、消防や自治体との事前協議から完成検査まで多くの手順を踏む必要があり、余裕を持った計画が必要となります。
コストを抑えながらスムーズに保管先を確保したい場合は、外部の危険物倉庫への委託も有効な選択肢の一つです。
キチナングループの倉庫保管サービスは、危険物の保管も対応しております。
危険物の保管にお悩みの方は、ぜひキチナングループにお気軽にお問い合わせくださいね!
この記事を書いた人
津田 康平
キチナングループ株式会社 倉庫事業部 主任
2018年中途入社。キチナングループ株式会社 倉庫事業部営業部。前職でも営業をしていました。プライベートでは奥様と買い物に行ったり、趣味のゴルフやバス釣りを楽しんでいます。好きな言葉は「この道より 我を活かす道無し この道を歩く」。









