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2023.03.09

2024年問題での荷主への影響は?とるべき対策を知ろう

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こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの末次です。

 

物流業界で目前に控える「2024年問題」をご存じでしょうか?

現在猶予期間となっている時間外労働の上限規制が、2024年より物流業界でも完全施行されるために、「さまざまな影響が出るのでは? 」と心配されています。

 

今回のコラムでは、この2024年問題について解説します。

2024年問題の概要や荷主への影響、影響を抑えるためにできる対策などをご紹介していきます。

夜行運転

 

物流の2024年問題とは?

物流の2024年問題とは、2024年4月1日からの運送業ドライバーに対する「時間外労働の上限規制」の実施にともなって、さまざまな影響が出るだろうと危惧されている問題です。

 

働き方改革の一環として、労働者の時間外労働の上限規制が定められ、一部の大企業では2019年4月から、中小企業では2020年4月から実施されています。

 

物流ドライバーが対象となる「自動車運転の業務」に関しては、準備のため5年間の猶予期間が定められました。

その猶予が終わり、時間外労働の上限規制が実施されるのが2024年4月1日なのです。

上限規制が適用されると、1年間の時間外労働の上限は960時間となります。

 

現在、物流業界や運送ドライバーは慢性的な人手不足が業界全体の課題ともなっています。

時間外労働の上限規制が実施されれば、1人のドライバーが稼働できる時間が現在よりも短くなり、人手不足に拍車がかかるといわれています。

 

 

2024年問題が与える荷主への影響・リスクとは

2024年に時間外労働の上限規制が実施されると、物流業界の人材不足がさらに深刻化すると見られています。

そんな中、2024年問題で考えられる荷主への影響は以下の2つがあります。

 

運賃のアップのリスク

ドライバーの働ける時間が減るので、運べる荷物の量や距離が減り、運送会社の売上が減少する恐れがあります。

経営を維持していくために、売上の減少分を運賃の値上げで対応する運送会社もあるでしょう。

 

人材不足は業界全体の問題としてすでに頭を悩ませている企業も多く、ドライバーをすぐに増やすことも難しいです。

人材不足解消のためには労働環境を整えたり給料をアップしたりなど、コストをかける必要があるでしょう。

 

運送会社の経費が増えることからも、運賃の値上げ交渉を受ける可能性が高まります。

 

法令違反のリスク

忙しいからといって上限規制が実施された長時間の運送をさせると、時間外労働の上限時間を超えて法令違反になってしまう可能性があります。

時間内に収まるよう運送会社がスピードを出し過ぎて、速度超過違反をする可能性も。

 

荷主には、運送事業者に法令を守らせる責任もあります。

荷主の指示や無茶な発注を原因として事業者が法令違反をした場合、荷主勧告制度により国土交通大臣から勧告や社名の公表を受ける可能性があります。

 

2024年問題で荷主がとるべき対策は?実際の事例もチェック

2024年問題でトラックドライバー1人あたりの労働時間は減ると見られています。

今まで問題なく輸送の依頼ができていたものが、法令内では運送会社のリソースが足りなくなり、依頼ができなくなってしまう可能性があります。

 

配送スケジュールや配送ルートの最適化、在庫のムダをなくす、ITツールやシステムを導入して省人化を進めるなどできる範囲から取り組んでいく必要があるでしょう。

実際に、物流業界では以下のような事例がありますよ。

 

【事例1】

倉庫から店舗への配送ルートと配送スケジュールを固定せず、必要な物を必要なタイミングで、最適なルートで配送するように変更する。

 

【事例2】

倉庫内のレイアウトを見直し、商品の出し入れがスムーズにできるようにする。

同時に在庫管理システムを導入し、管理効率を向上。

 

【事例3】

トラックによる輸送を、一部列車や船に置き換える「モーダルシフト」を採用。

モーダルシフトは大量輸送や長距離輸送に向いています。

 

【事例4】

大型倉庫拠点を導入して在庫を一度集約。

その後、小ロットで店舗への個別配送を行うことで、複数店舗ごとへの長距離輸送を減らす。

 

 

2024年問題で荷主が活用できる事業支援

国土交通省では「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(物流総合効率化法)」により、物流業での業務効率アップの取り組みに対して支援措置を実施しています。

 

「総合効率化計画認定」を受けることで、以下のような支援を受けることができますよ。

  • 営業倉庫に対する法人税、固定資産税・都市計画税の減免
  • モーダルシフトなどの取り組みに対する経費の補助
  • 市街化調整区域に物流施設を建設する場合、開発許可について配慮が受けられる など

 

認定には事業計画書の作成や申請・審査などが必要となります。

制度の活用を検討している場合は、まずは最寄りの運輸局へ相談してみてください。

 

 

物流の2024年問題に向けて荷主の対策を知ろう

部流の2024年問題とは、2024年4月1日から物流ドライバーの時間外労働の上限規制が実施されることによってさまざまな影響が危惧されているものです。

 

ドライバー1人当たりの労働時間が短くなるので、物流業界にもともとあった人手不足の問題がより大きくなることが予想されます。

そのために運賃のアップ、無理な運送依頼による法令違反につながるなどのリスクが懸念されています。

 

2024年問題に対応するためには、荷主は業務効率を上げる対策に取り組まなくてはいけません。

各企業では運送スケジュールやルートの見直し、倉庫レイアウトの最適化、システム導入による省人化などが進められています。

 

2024年問題による影響を最小限に抑えるためにも、早めに対策に動き出しましょう。

この記事を書いた人

キチナンロジスティクス株式会社 営業部 部長末次 正人

1996年新卒入社。キチナンロジスティクス株式会社 営業部。入社してからは茨城県や大阪府など様々な場所で配車や営業を経験。プライベートでは家族との時間を大切にしています。趣味はゴルフと食べ歩き。好きな言葉は「感謝」。

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